減点法になっていないか?
こんにちは。デクです。
デクってこんな人です。
内田樹さんの『修行論』
という本を読んで、
なるほどと思った一説がありました。
減点法は、
他人に対して適用しても、
自分に対して適用しても、
作り出すものより、
損なうものの方が多い。いくら眼を皿のようにして「減点」しても、
それで技術が向上すると言う事は無い。というのは、「減点できる」という事は
「満点を知っている」ということが前提になるからである。
これは、
内田さんが、
合気道の先生から教えを受け、
気づいたこと
だそうです。
たしかになぁ、と、
うなってしまいました。
同時に、この減点法の考えは、
学校教育の中で起きやすいな、
と感じています。
そう感じる出来事がありました。
この記事でお伝えしたいことは、
減点法よりも加点法の考えをもつ大切さです。
私が中学生を
教えていて感じた出来事です。
ですから、同じように
子どもの指導や
子育てをしている方々へ、
加点法への意識の大切さを
感じてもらえたら幸いです。
目次
テスト対策のため、勉強を教えて感じた違和感
私は最近、毎週、
中学生に勉強を教える機会にかかわっています。
家庭教師、のような形です。
直近では、
定期テスト直前だったため、
テスト勉強をみていました。
中学校の定期テストは主に、
教科の先生が
自分で作ることが多いです。
私はその子の進み具合を見ながら、
「ここは解けておいた方がいいよ。」
といったアドバイスをします。
統一された学習内容で、
現場の先生の実情がわかれば、
正直、
どの問題を出題するかは、
予測がつきます。
「私が先生だったら、この問題を出すなぁ」
といった具合です。
冒頭に紹介した一説通り、
私はある程度、
満点を知って教えていたのです。
減点法のへい害
ここに減点法のへい害があると感じました。
減点法のへい害は2つあると思います。
1つ目は、
満点以上の力がつかないこと
2つ目は、
その満点だけが唯一の正解になってしまうことです。
満点以上の力がつかないこと
先生が満点を設定すると、
その設定から、
トップダウンでアドバイスをしてしまいます。
生徒は明確な分、
取り組みやすいかもしれません。
ですが、それはあくまでも、
先生が想定した学力の範囲内です。
生徒がそれ以上の学力をつけることは、
難しくなってしまいます。
満点だけが唯一の正解になってしまうこと
また、
テストとなると、
どうしても点数をとることに
意識が向いてしまいます。
それはまるで、
高得点を取ることが
唯一の正解であるように、です。
ですから、
「この問題を解けるようになろう」
というアドバイスは、
極端にいうと、点数を取るだけのものに
なってしまいます。
この考えが大切だから、
今この学習をしている、
という将来を見据えた指導が
難しくなるように私は思います。
点数をとることが目的かもしれないが
これは、ある意味、
私の考えすぎかもしれません笑
あくまでも、
今回勉強を見るきっかけは、
テストの点数を上げるため
も含まれています。
ですが、それだけだと、
本当にその子のためになるのか?
と、
私は考えてしまうのです。
減点法より加点法
今回は、
本の一説と
子どもの勉強を見ていたことが
自分の中でつながりました。
私の本心は、
本来もっと、
その子の実情に応じた目標を確認しながら、
学ぶこと自体の楽しさを味わってほしい、
ということです。
一歩ずつ、わかることが増えていく。
できることが増えていく。
その感覚にこそ、学ぶ楽しさがあります。
こういった1つ1つの感覚に気づく、
加点法の考えが大切だと私は思います。
学校を卒業した先は、
テストの点数といった1つだけの
ものさしはありません。
正解がない社会に進んでいきます。
だからこそ、
子どもを教える機会には、
減点法よりも、加点法の考え方を
私は胸に刻んでおきたいです。