複雑な事情をもつ子どもへの対応を考える 前編
こんにちは。デクです。
デクってこんな人です。
中学校の先生と生徒とのコミュニケーションは、
本当に難しいと感じます。
なぜなら、生徒は思春期であり、
自分というものをつくっていく過程で、
大人との衝突が起こりやすいからです。
衝突の対象は、
主にその子の親の場合が多いと思います。
ですが、血のつながらない身近な大人、
つまり学校の先生に対して、
親代わりの対応が望まれる場合もあります。
これは、ある先生の経験談なのですが、
生徒から
「先生、ちょっと死んでくれませんか?」
と突然言われて、
その対応について悔やんでいる、
という話を聞きました。
今回は、
そんな言葉を発した生徒の気持ちや背景には、
どんなものがあるのか?
について、想像をめぐらせたお話です。
多様で複雑な家族が存在している。
そして、その状況でも、
子どもは精一杯生きている
ということを前提に。
もしも、
お話しに出てくる生徒が実際いるとしたら、
どのようにかかわっていくのがいいのか、
考えるきっかけになれば幸いです。
長くなっているので、今回は前編です。
後編は、また別記事になるので、
投稿したらまたお伝えしますね。
それでは、はじます。
目次
ある先生
中学校先生にって
もう10年以上になる。
生徒とのかかわりもだいぶ慣れてきた、
と自分では思っている。
生徒とのかかわりの中で大切にしている会話。
様々な生徒と、
教室や廊下でちょっとした会話をする。
何気ない会話。それがまた楽しくもある。
会話をすると、いろいろな事に気づく。
と同時に、
日々生徒の気持ちは動いている
と感じる。
いつもと妙に雰囲気が違うと、
今朝、家族の中で何かあったのかな?
と思ったり、
なんか良いことがでも、あったのかな?
と思ったりもする。
そんな様子を感じ取りながら、
過ごしているわけだが、
見る限り、どうも元気のない子が決まって一人いる。
Aさんだ。
Aさん
Aさんはここ3年前に引っ越しきた子だ。
母親が離婚の後、再婚してこの地域にやってきた。
Aさんは母親とともに再婚相手の夫の住むところに引っ越してきたのだ。
夫は初婚らしい。
そして母親のお腹の中には新たな命が宿っているそうだ。
Aさんには、兄もいる。
私はその兄と当時、かかわっていた経験もある。
兄は若干不登校気味ではあったが、優しい雰囲気のある子、
そんな印象だった。
兄は進路も決まり、卒業することができた。
そして入れ替わるように
弟であるAさんが入学してきた、という流れだ。
先生とAさんの関係
Aさんとは、廊下ですれ違うと、
挨拶を交わす程度だったが、
兄と知り合いということもあり、
時間が経つにつれて、
少しずつ心を開いて話してくれるようになった。
私は心を開いてくれることに、
喜びを感じつつも、
彼の気持ちから感じる寂しさのようなものも感じていた。
Aさんの人間関係
Aさんは学校をよく休む。
周りの生徒は「ずる休みだ」
と言う。
数日たつと登校してくる。
Aさんは学校にくると、
「ずる休み」と言っている生徒とじゃれている。
ひょうひょうと見えるのだが、
どこが寂しげな様子は感じずにはいられなかった。
Aさんの家庭環境の変化
Aさんは末っ子だったが、兄になった。
母親と夫との子どもが生まれたのだ。
新しい命の誕生は喜ばしいことだ。
だが、Aさんにとっては、気がかりなことでもある。
自分の居場所がなくなる気がしてたまらなくなるのだ。
それはなぜか、
後編に続きます。